第1章 「見えているもの」が、本当にすべてなのか。
情報があふれる時代だからこそ、本質は見えにくい
私は企業研修の講師として、多くの企業で人材育成に携わっています。
テーマは一貫して、「人と組織の課題を、本質から改善すること」です。
現代は「ハラスメント」という言葉が社会に浸透し、昔のような指導が難しくなりました。
一方で、昭和世代には「昔はこれで育った」という成功体験があります。
しかし、その経験を今の若い世代へそのまま伝えても、うまく伝わらない場面が少なくありません。
逆に若い世代は、SNSやインターネットを通じて膨大な知識を得られる環境で育ちました。
だからこそ知識は増えています。
しかし、その反面、「人の話を最後まで聞く力」や、「相手の意図を理解しようとする力」が弱くなっていると感じる場面もあります。
私はどちらが悪いと言いたいわけではありません。
問題は、その間にある「認識のズレ」です。
昭和世代は言語化が苦手。
若い世代は本質を読み取る経験が少ない。
だから衝突が起こる。
私の仕事は、その間を埋めることです。
「何を伝えたいのか。」
「なぜその言葉になるのか。」
「相手はどう受け取っているのか。」
表面的な会話ではなく、その背景まで一緒に考えることを大切にしています。
私は昔から、「本質を見る力」が人生を大きく左右すると考えてきました。
そして、その考え方は仕事だけではなく、日常生活でも同じだと思っています。
人は「見えている情報」で簡単に判断してしまう
SNSが当たり前になった今、人は画面越しの情報だけで相手を評価するようになりました。
「お金持ちそう。」
「楽しそう。」
「成功していそう。」
「キラキラしている。」
そんな投稿を見ると、羨ましいと思う人もいるでしょう。
もちろん、その感情自体は自然なものです。
しかし私は、そこに少し違和感を覚えています。
なぜなら、人は「結果」だけを見て、その人が歩んできた過程を見ようとしなくなっているからです。
数秒の動画。
一枚の写真。
その切り取られた瞬間だけで、「この人はすごい」「この人は幸せそう」と判断してしまう。
でも、それは本当にその人のすべてなのでしょうか。
私自身もSNSで発信を続けています。
最初は、人材育成や組織づくり、本質的なコミュニケーションなど、自分が最も伝えたい内容を真剣に発信していました。
しかし現実は厳しく、再生数は伸びず、仕事にもなかなかつながりませんでした。
そこで私は、一つの決断をします。
「まずは多くの人に知ってもらうことが必要ではないか。」
そう考え、牛女というキャラクターで、旅行や遊びを交えながら地域の魅力を発信するコンテンツへ大きく方向転換しました。
すると少しずつ動画が見られるようになり、新しい出会いも増えていきました。
当時は、「本当にこれでいいのだろうか」と迷うこともありました。
しかし、その選択が、後に私の価値観をさらに深める出来事につながることになるとは、この時の私はまだ知る由もありませんでした。
第2章 違和感の先に、本当の出会いがある。
一通のDMが教えてくれたこと
そんなある日、一通のTikTokのDMが届きました。
送り主は、大阪にある「スタジオセルホ」。
内容は、PRも兼ねたコラボ撮影のご依頼でした。
当時の私は、「牛女」として遊びや観光スポットを紹介する動画を中心に発信していました。
ありがたいことに少しずつ再生数も伸び始め、以前よりも多くの方に知っていただけるようになっていました。
その中で届いた一件のDM。
もし画面に映る情報だけで判断するなら、「面白いおじさんがいるスタジオ」「バイトさんが運営しているアカウント」という印象で終わっていたかもしれません。
実際、アカウントの内容は、「館長が面白すぎる」というコンセプトで、おじさんがクロマキーを使いながら全力で楽しんでいる動画が並んでいました。
もちろん、それも一つの魅力です。
しかし私は、動画の内容よりも先に、「数あるアカウントの中から、自分を選び、わざわざ声を掛けてくださった」という事実に目が向きました。
どんな仕事でもそうですが、誰かに依頼をするということは勇気がいることです。
断られるかもしれない。
返事すら来ないかもしれない。
そんな中で連絡をくださったこと自体が、私にはとてもありがたく感じられました。
だから私は、迷うことなく「ぜひお願いします。」と返事をしました。
もしかすると、「もっと条件の良い案件を選ぶ」「フォロワー数や知名度で判断する」という考え方もあるのかもしれません。
でも私は、人とのご縁をそういう尺度で判断したくありません。
私が大切にしているのは、「どんな人が、どんな思いで声を掛けてくれたのか」です。
その時点では、まだお互いのことをほとんど知りませんでした。
それでも、「まず会ってみよう」と思えたのは、相手を数字や肩書きではなく、一人の人として見たいという気持ちがあったからです。
人は、会って初めて本質が見えてくる
撮影当日。
実際にスタジオへ伺い、一緒に撮影を進めながら館長の中西さんとお話をする時間がありました。
そして、その会話の中で私は驚くことになります。
中西さんは、新聞社で記者として活動され、その後はWeb版編集長も経験されていました。
さらに現在は経営コンサルティングにも携わり、多くの企業や人と関わりながら仕事をされている方だったのです。
正直に言うと、その経歴を聞いた瞬間、「やっぱりそうだったか」と思いました。
というのも、撮影中の何気ない会話の中で、物事を見る視点や質問の深さに、「この方は普通ではない」と感じていたからです。
そして、お互いの仕事について話していくうちに、驚くほど共通点があることにも気付きました。
私は企業研修を通して、人や組織の本質を伝えています。
中西さんも、これまでの取材や編集、経営支援を通じて、「人の本質」や「企業の本質」と向き合ってこられた方でした。
分野は違っても、「本当に価値のあるものを伝えたい」という根底の思いが、とても似ていたのです。
私はその瞬間、改めて感じました。
もし私が、画面越しの情報だけを見て「ああ、面白い動画を作っている人なんだ」で終わらせていたら、この出会いはありませんでした。
逆に、中西さんも、牛女という見た目だけで私を判断していたら、企業研修という本業や私の考え方を知ることはなかったでしょう。
人は、表面だけでは分かりません。
だからこそ、会ってみる。話してみる。相手を知ろうとする。
その一歩が、自分の世界を大きく広げてくれるのだと、この出会いは改めて教えてくれました。
第3章 成長する人は、「違和感」を見逃さない。
目先の利益より、目の前のご縁を大切にする
今回の出来事を通して、私は改めて一つのことを実感しました。
それは、人は「どこを見るか」で人生が大きく変わるということです。
現代は情報があふれています。
フォロワー数、再生回数、年収、肩書き、有名・無名…。
何かを判断する基準が数値化され、それがあたかも「価値」であるかのように扱われています。
もちろん、それらも一つの指標ではあります。
しかし、それだけを見て人や物事を判断してしまう人は、本当に価値のある出会いや経験を、自ら手放しているのかもしれません。
私は今回、セルホさんからDMをいただいたとき、「どれだけ宣伝になるか」「どれだけフォロワーが増えるか」という視点では考えませんでした。
それよりも、「自分たちに声を掛けてくださった」という事実に価値を感じました。
だからこそ、そのご縁を大切にしたいと思ったのです。
そして実際に足を運び、お話をしてみると、自分の知らない世界を知り、多くの学びを得ることができました。
これは偶然だったのでしょうか。
私はそうは思いません。
日頃から目の前の人や仕事に誠実に向き合い、一つひとつのご縁を大切にしているからこそ、その先に新たなご縁がつながっていく。
そんな積み重ねが、人生を豊かにしていくのだと思っています。
人生は、目先の利益だけを追い続けるほど単純ではありません。
一見遠回りに見える経験が、何年後かに大きな財産になることもあります。
だから私は、損得ではなく、「この出会いを大切にしたい」と思えるかどうかを大切にしています。
違和感は、人生を変えるサインかもしれない
私はこれまでの記事でも、「本質を見ること」の大切さを何度も書いてきました。
今回の出来事も、まさにその一つです。
もし私が、「面白いおじさんのアカウント」という表面的な情報だけで判断していたら、この経験はありませんでした。
逆に、中西さんも「牛の着ぐるみを着て遊んでいる人」という印象だけで私を判断していたら、お互いを深く知ることはなかったでしょう。
人は、見た目や肩書きだけでは分かりません。
だからこそ、「なんとなく気になる」「もっと話を聞いてみたい」「この人には何かある気がする」という小さな違和感を大切にしてほしいのです。
私は、この違和感こそが成長の入り口だと思っています。
成長する人は、答えを知っている人ではありません。
「なぜだろう」「本当はどうなんだろう」と立ち止まり、考え続けられる人です。
その積み重ねが、人を見る目を養い、仕事を見る目を養い、やがて人生を見る目へと変わっていきます。
地に足をつけ、一歩ずつ歩む。
目先の派手さに飛びつくのではなく、一つひとつの景色を丁寧に味わう。
その積み重ねが、自分の人生を少しずつ豊かにし、振り返ったときに「あの出会いがあったから今がある」と思える未来につながるのだと、私は信じています。
おわりに|スタジオセルホという「人に会いに行ける場所」
今回ご紹介したスタジオセルホは、大阪にあるクロマキー撮影が楽しめる体験型スタジオです。
もちろん、撮影そのものもとても楽しい場所ですが、私にとって印象に残っているのは、それ以上に「人との出会い」でした。
館長の中西さんは、新聞記者やWeb編集長、経営コンサルタントとして培ってきた豊富な経験を持ちながら、誰もが笑顔になれる空間づくりを本気で楽しまれている方です。
もし大阪へ行く機会があれば、ぜひ一度足を運んでみてください。
写真や動画だけでは伝わらない魅力があります。
そして、この記事を読んでくださった皆さんも、日常の小さな違和感を見逃さず、その先にある本質へ目を向けてみてください。
きっとそこには、想像もしなかった出会いと、新しい自分への成長が待っているはずです。
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